SLA(サービスレベルアグリーメント)とは——データセンター契約の保証基準を解説

✍️ DCトレンド研究編集部
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SLAとは

SLA(Service Level Agreement:サービスレベルアグリーメント)は、サービス提供者(データセンター・クラウド事業者など)と利用者のあいだで、サービスの品質・可用性・対応時間などを定めた合意書(契約条項)です。

データセンター・クラウドの文脈では主に「稼働率の保証」として使われ、「99.99%の電源稼働率を保証する」といった形で契約に盛り込まれます。


なぜSLAが重要か

「データセンターは安定しているだろう」という期待だけでは、ビジネスリスクを管理できません。SLAが明示されていることで、以下が担保されます。

  • どのレベルのサービス品質が保証されるか(事前の期待値調整)
  • 保証を下回った場合の補償内容(ペナルティ・クレジット)
  • 障害発生時の復旧目標時間(RTO:Recovery Time Objective)

SLAのないサービスや、条件が不明瞭なSLAは「何かあってもサービス側は責任を負わない」という状況に等しく、ミッションクリティカルなシステムには不適切です。


稼働率(可用性)の数字を読む

SLAで最も目にする指標が「稼働率(可用性)」です。一見似た数字でも年間ダウンタイムは大きく異なります。

稼働率表記呼び方年間ダウンタイム目安
99%ツーナイン約87.6時間
99.9%スリーナイン約8.76時間
99.99%フォーナイン約52.6分
99.999%ファイブナイン約5.26分
99.9999%シックスナイン約31.5秒

金融系・医療系の基幹システムでは99.999%以上が求められることが多く、社内業務系では99.9%でも許容される場合があります。


SLAの主な対象項目

電源SLA(コロケーションDCで重要)

電力の供給停止がない割合を保証します。「電源稼働率99.999%」のように表記されます。UPS冗長構成やTier認定レベルと連動します。

冷却SLA

冷却システムの停止率を保証します。GPU高密度環境では冷却停止が機器破損に直結するため、特に重要です。

ネットワークSLA

ネットワーク回線の稼働率・帯域・遅延を保証します。クラウドサービスのSLAでよく見られます。

障害対応SLA(対応時間の保証)

  • RTO(Recovery Time Objective):障害発生からサービス復旧までの目標時間
  • RPO(Recovery Point Objective):障害発生時にどの時点まで遡れるかのデータ復旧目標

SLAのペナルティ条項を確認する

SLAには保証を下回った場合の補償が規定されています。一般的な補償の形は「サービスクレジット(次月以降の利用料の割引)」です。

注意点として、多くのSLAでは以下が除外対象になっています。

  • 定期メンテナンス時間
  • 利用者側の原因による障害(設定ミス・機器故障など)
  • 天災・不可抗力
  • 第三者サービス(上位回線など)に起因する障害

「99.99%保証」でも除外事項が多ければ実質的な保証は薄くなります。契約前に除外事項の確認は必須です。


クラウドサービスのSLA例

代表的なクラウドのコンピュートSLAを参考として示します。

サービス代表的なSLA
AWS EC299.99%(マルチAZ構成時)
Microsoft Azure VM99.99%(可用性ゾーン利用時)
Google Compute Engine99.99%(マルチゾーン構成時)

単一ゾーン・単一インスタンスでは稼働率の保証が下がる点に注意が必要です。


まとめ

SLAはデータセンター・クラウドサービスを選ぶ際の「保険証書」に相当します。数字の大きさだけでなく、対象範囲・除外事項・補償内容を合わせて精読することが、実務上のリスク管理につながります。


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この記事は DCトレンド研究 が独立した第三者の立場で執筆しています。