コロケーション(Colocation)とは
コロケーションとは
コロケーション(Colocation、略称:コロケ)とは、データセンター事業者が用意した施設・電力・冷却・ネットワーク回線といったインフラを借り、自社のサーバーやネットワーク機器を設置・運用するサービスです。「ハウジング」とも呼ばれます。
コロケーションの本質は「建物と電力とネットワークは借りる、機器は自分で持ち込む」という点にあります。
3つの選択肢——クラウド・コロケーション・オンプレミス
IT基盤の設置場所は大きく3つに分かれます。
| 形態 | 概要 | 向いているケース |
|---|---|---|
| クラウド(IaaS/PaaS) | AWSやAzureなどのサービスをネット越しに利用。機器所有なし | スケール変動が大きい、短期利用、初期投資を抑えたい |
| コロケーション | DCのスペースを借りて自社機器を設置 | 長期・高稼働、データを手元に置きたい、コスト最適化 |
| オンプレミス(自社DC) | 自社所有・管理の施設に設備を構築 | 大規模・高セキュリティ要件、電力・冷却を完全制御したい |
コロケーションはクラウドとオンプレミスの中間に位置する形態で、「物理的なコントロール」と「ファシリティ運用コストの外部化」を両立できるのが特徴です。
コロケーションの種類
1. ラック単位(Rack Colocation)
最もポピュラーな形態。1ラック〜数ラック単位で契約し、月額の電力費込みの料金を払います。
2. ケージ(Cage)
複数ラックをフェンスで囲んだ独立スペース。アクセス制御を強化したい場合に向いています。
3. スイート(Private Suite)
壁で区切られた完全個室。銀行・政府機関など高セキュリティ要件の場合に使われます。
4. ホールセール(Wholesale Colocation)
大規模な電力容量(1MW〜数十MW)をまとめて借りる契約。ハイパースケーラーや大手通信キャリアが自社DC建設の代替として利用します。
コロケーションのコスト構造
コロケーションの料金は主に以下の要素で構成されます。
- スペース費:ラック/ケージの占有面積
- 電力費:使用したkWh、または予約した電力容量(kW)
- ネットワーク費:接続帯域・IX接続オプション
- クロスコネクト費:他のテナントや通信事業者との接続
長期(3年以上)契約・高稼働率での利用では、クラウドと比較してコスト優位性が出やすいとされています。一方、機器調達・保守・人件費(スマートハンズ対応など)は別途かかります。
AI時代のコロケーション選定
2026年現在、AIワークロードを収容するためのコロケーション選定で最も重要になったのが「電力密度と冷却対応」です。
「GPU対応」を謳うコロケーションDCでも、実態としては以下のような差があります。
- 30kW/ラック以下:旧世代GPU(A100等)が上限。最新Blackwellは収容不可
- 60〜120kW/ラック:直接液冷(DLC)対応が必要。Hopper/Blackwell世代に対応
- 120kW超:次世代AI向け。現時点では国内でも対応施設が限られる
選定時には「最大電力密度・冷却方式・DLC配管工事の実績」を具体的に確認することが必須です。
エンジニアの現場感
コロケーションの「落とし穴」として現場でよく見るのが、「契約時と実際の電力供給量が違う」という問題です。予約した電力容量(契約kW)に対して、実際に引ける電力が制限されているケースがあります。
特にGPUサーバーは起動時に瞬間的な電力ピークが生じるため、「平均kWは問題ないが、ピーク時に電力が足りない」という事態が起こりえます。契約前に「ピーク電流への対応」と「ブレーカー容量の確認」は現場レベルで必ずチェックすべき項目です。
まとめ
コロケーションは、自社でDCを持つコスト・手間を省きながら、クラウドより低い運用コストで長期運用できるハイブリッドな選択肢です。AI/GPU時代には「電力密度と冷却対応」が選定の最重要軸になっており、事業者ごとの対応能力の差が以前より格段に大きくなっています。
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この記事は DCトレンド研究 が独立した第三者の立場で執筆しています。